【雛飾りが持つ意味と春コーデ】
こんにちは、着付講師の竹内千尋です。
ご訪問ありがとうございます。
3月3日は女の子の健やかな成長を願う行事「ひな祭り」でした。
日本には一年を通して沢山の行事があり、様々な意味合いがあります。
ひな祭りもその一つです。
旧暦の3月3日頃が桃の開花時期と重なり、桃の不浄を祓う生命力にあやかるため「桃の節句」と言われています。
皆様のお宅ではお雛様の飾り付けはされましたでしょうか?
私の実家では、幼い頃は五段の雛人形でしたが、
成長とともにだんだん人数が減り、
段数も減り、
お内裏様とお雛様だけになっていた記憶があります。
そして、最近では母親の手作りのお雛様が登場したりと様変わりしてきています。
雛祭りには「菱餅」「ひなあられ」といったお菓子がつきものですが、そのどちらにも
赤・白・緑 の色が使われています。
この3色には意味があります。
赤・・・「魔除け」これは以前【母から譲り受けた単着もので秋コーデ】で もお話しました。
白・・・「清らかさ」
緑・・・「健康」「愛」
を表しています。
そして、このお雛様の飾り付けには皇族の婚礼のしきたりが、装束・供え物・仕える人たちのほか、調度品にいたるまで忠実に再現されているそうです。
5段7段の雛飾りをお持ちの方は、お飾りの意味を知って一つ一つに目を向けてみてはいかががでしょうか。
皇室の婚礼が行われたのはもうずいぶん前のことになりますが、時代が平成から令和に変わるときの
「即位礼正殿の儀」
は皆様の記憶にも新しいかと思います。
雅子皇后様が美しい十二単をお召になっておられました。
このときの色の組み合わせも
赤・白・緑 でした。
十二単だけでなく着ものは表と裏で季節感のある色の組み合わせをすることで、自分の個性 を表現することもできます。
色の組み合わせや小物とのバランスを考えるだけでもとても楽しい時間になります。
ちなみに雅子皇后様がお召しだった緑色は
「萌葱色」
という色で、私のテーマカラーと同じでしたのでちょっと(ずいぶん)嬉しかったです。
そして先日でかけた会合には
「春らしさ」をテーマに緑の着ものメインでコーデしてみました。
着物・帯揚げ・帯締め…#丹後のやまもと
帯・半襟…#TSUBAKIAN
草履…#大塚呉服店
会合では
「実は私も着もの着れるんですけど…やっぱり着ものっていいですね。着てくればよかった」
と声をかけてくださった方もありました。
着ものはいい意味で目立ちます。
自分の所作のトレーニングも兼ねて、そして隠れ着ものファンの方を巻き込んで今年はたくさん着ものでお出かけしたいと思いますのでお楽しみにしていてください。
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ情報をご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
振袖に込められた想い
こんにちは。着付講師の竹内千尋です。
ご訪問ありがとうございます。
新しい年を迎えたと思っていたら、あっという間にもう2月も半分が過ぎました。
先日、早々と成人式の着物の展示会の話を耳にしました。
1月に今年の成人式が終わったばかりですが、もう来年の試着会などが開催されていて年々準備が早くなっている気がします。
成人式は、大人として社会的に認知されるセレモニーです。
成人を祝う習慣は奈良時代からあり、成人を示す通過儀礼としての成人式は、「冠婚葬祭」の「冠」にあたります。
現在の法律では、
「大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日とされています。
成人を迎える方は、自分がここまで成長できたのは、
ご先祖さまや神様、
家族や友人など、
たくさんの応援があったからだということを思い出し、
その方々に感謝する日となればと思います。
成人式の着ものは、ミスの第一礼装である「振袖」を着ます。
厳密には袖の長さは3種類あり、
長い順から
「大振袖」または「本振袖」
「中振袖」
「小振袖」と呼びます。
現代の成人式では
「本振袖」か「中振袖」のどちらかを着ることが多いです。
ここ最近では、お母さまや、おばあさまの振袖を着られる方も少なくありません。
いわゆる「ママ振」と呼ばれているもので、お母さまたちは私と同じ世代💦
私の印象ですが、「ママ振」のものは、着もののさわり心地がしっとりして手に吸い付く感じがします。
着付けていても気持ちが良いです。
私たちの頃は「ママ振」ではなく、仕立てるかレンタルが多かったように記憶しています。
デザインも割りとシンプルなものが流行っていて、私もご多分に漏れず赤地に黒の裾模様。絞りで黄色の花がデザインされていました。
伝統的な晴れ着としての振袖には、成長する娘への健康や幸せを願うおめでたい文様が描かれています。
そのおめでたい文様のことを「吉祥文様」きっしょうもんようと呼び、動物・草花・扇や熨斗など多くの種類があります。
今回はおめでたい時に着る着ものに描かれている
「吉祥文様」の意味や込められた願いについて、私の振袖を参考に少しご紹介したいと思います。
シンプルですが、絞り染めで「椿」と「蝶」が表現されています。
「椿」は一年中葉が青い木のことから常磐木トキワギと呼び、古来、縁起の良いものとされていました。
「椿」は散るときに花ごとポトリと落ちることから、首が落ちると連想されタブーとされることが多いですが、反対に「魔除けの力を持った植物」とされ神事に欠かせない木とされていました。
梅が中国から渡来するまでは、最高の吉祥木とされていて、現代でも油や化粧品、そして平安時代には不老長寿の薬としても大切にされていました。
そして、「蝶」
ひらひらと飛ぶ様が可憐にみえますが、意外にも「立身出世」の意味があります。
人生の高みを上っていく姿に見え、これから人生を切り開いていく女性たちにも、自由に空をのぼる蝶にあやかってほしいという願いが込められています。
それ以外にも
「健やかな成長を願う」
芋虫からさなぎ、そして鮮やかな蝶へと成長していきます。
このように我が子も華やかに変容してほしいとの願いも込められています。
素敵ですね✨
シンプルだと思っていた私の振袖の中にも、「吉祥文様」に込められた我が子の成長と幸せを祈る両親の想いを感じることが出来ました。
着ものは日本の民族衣装です。
安いものではありませんし、何代にもわたって着続けられます。
だからこそ、どんな着ものにも描かれている文様には色んな願いが込められていると思います。
アラフィフになった今、そのことがとても感慨深く感謝の気持ちでいっぱいになります。
皆様も振袖に込められた両親の想いを巡らせてみてはいかがでしようか。
追記:今年のお正月は帰省せず「おうちお正月」で、久しぶりに着ものを着てみました。
鶴の吉祥文様の帯に、流水柄のアレンジの着ものです。
今年はこの着ものにあるように、私自身も腐らず流れ続ける1年にしたいと思います。
取捨選択の先に残るもの
こんにちは。着付講師の竹内千尋です。
ご訪問ありがとうございます。
今までの人生の中で幾度も取捨選択を迫られる事がありました。
その中で今も、手放すことなく続いている事があります。
それは着ものに関わる仕事です。
2020年もあと残すところわずかとなりました。
皆様はどんな一年だったでしょうか?
来る2021年、年女である私はは着もの着付を習いはじめてから丸27年になります。
27年前、同じく着付講師だった母から、花嫁修行の一貫として勧められ、当時は仕方なしに始めたので、まさか、こんなに続くとは思っていませんでした。
先ず、自分で着れるようになり、
そして、人にも着せてあげられるようになり、
次に留め袖や振り袖のような重い着ものも着付けることができるようになりました。
さらに着付けの技術を深めるため、
花嫁さんの着付けの勉強をしたり、
花婿さんや
七五三の着付けの勉強もしました。
私は幼い頃から、季節の行事があるたびに母に着せつけてもらい
着ものには慣れ親しんでいました。
そして、なにより、
母親の着物姿が大好きでした💕
母の様に
いつかは誰かの心の隅っこに残る存在になりたいと思うことで
学びを続けてこられたような気がします。
私にとって着付けとはとても身近なものでした。
こうして
長く続けて来れた環境に感謝です。
そして私も母のように、
大切な人の人生の節目のお手伝いができる
着ものの着付けを
昔ながらのしきたりを
大切にしていきたいと思っています。
そして、
さらに新しい試みを加えて
進化し続ける着付けの魅力を
これからも多くの方に知っていただきたいと思っています。
今年は何もないクリスマスでしたが、着ものコーデで遊んでみました。
着もの…叔母から頂いた紬
帯…TSUBAKIANさんの兵児帯で帯結ばない帯結び(コルセット風)
半襟…TSUBAKIAN
帯締め…ヒメノルミさんのリボンゴムベルト
ピアス…KAPUKIさんのフープピアス
たった2年前なのにポージングがひどすぎる💦
写り方が全然違いますね~
コーデをざっくり説明します。
真っ赤な無地の着ものにドットの帯
頭には、写真では見えませんが黒ドットのターバン
ドットで攻めてます💦
この年末はこれからの楽しいコーデの為に、
着ものタンスの中も断捨離をして、
本当に必要なものと不要なものを見極めて、
これから出会うであろう素敵な着ものや小物たちを
迎え入れる準備をしたいと思います。
取捨選択
今年2020年は新型ウィルスで世の中が一変し大変な年でもありましたが、
この一年を振り返ると、
私の人生にとって、とても大切な出会いがあり、
そして、新たな学びを始める機会に巡り会いました。
そして、今までより、たくさんの取捨選択を迫られ、
公私ともに激動の1年だったように思います。
2021年は家族との幸せな時間も大切にしつつ、
もっと自分と向き合い、
自分が幸せでいるために
何が必要か何が不要かを選択する力を
さらに育てていきたいと思っています。
「継続は力なり」という言葉がありますが、
何事も、太く短くより、細く長く続けることが大切だと思っています。
そして、2021年は取捨選択した事にプラスして、
好奇心を持つことを忘れず、新たな学びも始めていきたいと思います!
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ情報をご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
よいお年をお迎えください。
【七五三の母親も美しく見えるコツ】
こんにちは。着付講師の竹内千尋です。
ご訪問ありがとうございます。
前回のブログでは、産着を七五三の時に仕立て直すというお話をしましたが、
今回は、七五三での母親の服装のマナーと、所作についてご紹介します。
11月15日は子供の健康と成長を祝う行事
【七五三】です。
七五三での母親の服装マナーを3つご紹介します。
1:主役の子供より格を下げる
2:子供より目立たない
3:家族のバランスを考える
七五三の子供が晴れ着を着た場合、母親も着ものを着ると統一感が出ます。
その時の着ものとして相応しいものは
「訪問着」全体的に絵画のように柄が配置されているもの
「付下げ」裾の方に柄が多いもの
「色無地」単一色で柄がないもの(紋が付くこともある)
などの「準礼装」という格付けのものを選ぶと、服装マナーとしてもとして、よいとされます。
では、実際に色無地以外で私の着ものを使って説明していきたいと思います。
まずは、「訪問着」です。
明らかに華やかですね。
襟~前身頃~袖、柄が繋がっているのがわかりますでしょうか?
裾模様も同じように繋がっています!
仮に仕立ててから染めるので、全身繋げることができるんです!
若い頃は黒っぽい着ものを選ぶことが多かったのですが、歳と共にフォーマル感のある白っぽいものが増えてきました~💦
次に「付下げ」です。
見比べるととてもシンプルです。
宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる空想の花を模したものが点在していて、裾に柄が集中しています。
この着ものは自分の顔のくすみが急に気になり始めた頃に買ったものです。顔映りが良くなる白(レフ板の代わり)しか選んでいなかった記憶が・・・
汚れを気にすることより顔色がよく見える方を選択していたんですね💦
今は着ものを着ているだけで良しとされる時代ではありますが、
「訪問着」、「付下げ」、「色無地」を
選ばれると、七五三のお祝いに相応しい装いになります。
色や柄の選び方は、淡い色や柄で上品なフォーマル感のあるもので、主役の子供とのバランスや「秋」という季節感の柄を選ぶと、より素敵になります。
そして、先日マナーのお勉強を改めてする機会がありました。
そこで学んだことの中で、着ものの時にもすごく参考になることがありましたので皆様にもご紹介します。
七五三では、写真館や神社、おうちなど色んなところで記念写真を撮ることが多いと思います。
いくら子供さんの引き立て役だとはいえ、自分だって美しく写っておきたいと思いますよね。
その時に心がける美しく見せる所作のポイントを4つ紹介します。
1:一番大事なのは笑顔
2:その次は美しい立ち姿です
背筋を伸ばし、上から吊り下げられているイメージで首を伸ばします。
お尻にギュッと力を入れ立ちます。
洋服と違い、足元は内股にし、体重を親指に乗せ体を少し前に傾けます。
(ここまででも想像以上に体幹を使います💦)
3:手は左手を上にして前で軽く組みます。指先は必ず揃えておきましょう。
4:椅子に座るときは、帯に気をつけながら3分の2ぐらいの位置に腰掛けます。
もちろん背筋を伸ばして、膝とつま先を揃えます。
このポイントを押さえておくだけで、「品のある素敵な母親」として思い出の写真に残ることでしょう。
ここで実際に、私が立ち姿の比較写真を撮ってみました。
顔まで緩んでいるのは気にしないでください💦
立ち姿や座り方に慣れて経験を積み重ねることで、「粋」に着ものを着こなせるようになります。
私は猫背と首が短いのがコンプレックスなので、少しでも長く見せたい為に、気付いたら洋服のときでも「美しく見せる所作」を心がけています!
なかなか習慣になるまでは長い道のりですが・・・
意識をして品格のある素敵な女性を目指しましょう!
ぜひお試しください💕
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ知識をご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【七五三】
10月になりました。着ものは「単ヒトエ」から「袷アワセ」に変わります。
「袷アワセ」は、長い季節で着れることもあり、私の手持ちの中でも、枚数も一番多いものになります。
背守り
10月になると、あちこちで七五三の可愛らしい広告などを、見かけることが多くなります。
七五三のお詣り自体は、11月15日ですが七五三より早めに、家族で記念写真を撮られる方が多いからでしょうか。😆
子供の成長を家族みんなでお祝いされる方も多いですね。
七五三は、3歳と7歳が女の子のお祝いで、5歳が男の子のお祝いと、一般的には言われています。
昨今では、家族構成に合わせて出来るタイミングで、晴れ着を着せてあげると良いと思います。
男女共に3歳のお子様の晴れ着は、お宮参りの時の初着を仕立て直して着せることができます。
お宮参りの時に、祖母が赤ちゃんを抱いて、その上に掛けられていたのが「初着」です。
初着は、「一つ身」という裁ち方で仕立てられていますが、丈などを直して3歳の晴れ着として使用できます。
初着には、背縫いはなく「背縫いのない着ものを着ると魔物が憑く」と信じられていたことから、
昔は一つ身の背には、【背守り】と呼ばれる飾りを付ける風習がありました。
そんな子供のためにある【背守り】について、少し調べてみました。
【背守り】は母親が、生まれたばかりの子供の命を守るために、産着の背中に縫い込んだ魔除けの印です。
まだ医学が発達していなかったその昔、「七つまでは神のうち」といわれるほど、幼い子供は疫病や事故などで命を落とす事が多く、魂が背中から抜けやすいと信じられていました。
大人の着物には背縫いという「縫い目」があります。人々はこの「目」を尊び魔除けになると考えられていましたが、赤ちゃんの初着は「一つ身」といい、大人が反物を2枚つなげて身ごろに使うのに対して1枚で身ごろとして仕立ててあるので縫い目がありません。そこで背中に「目」を付けて背後から忍び寄る魔物を祓おうと考えたのです。
そして、初着の胸元に付いている紐にも、魔除けとなる刺繍があります。
親は、背中と胸の両方から、大切な子供を守りたいというそんな思いを込めて、産着を着せていたことを知り感動しました。 3歳のお子さん用に仕立て直すときには、この紐に施されている魔除けの刺繍を切ってしまわないように、注意が必要です。
小さな子供さんの洋服の背中に、好きなモチーフの「背守り刺繍」を刺してあげるのも、とても素敵でオススメです。
今では、お姫様みたいなドレスやタキシードなどの洋服が増えましたが、一生に一度しかない特別なお祝いの日だからこそ、みんなで着ものを着て、記念写真を撮るのも、よいのではないでしょうか。
お子様が健やかに過ごせるようお祈りしています。
ハロウィンコーデ
そして、私自身は10月といえば、ハロウィンです‼
今回は、手持ちのハロウィンカラーを組み合わせて、
【ハロウィンコーデ】をしてみました🎃
オレンジ色の無地の着ものの中に、黒のレースのブラウスを合わせた和洋ミックスです💕
帯は、赤と黒のストライプ柄の名古屋帯でネコ結び🐱
帯揚げは、大好きなTSUBAKIANさんのレース帯揚げで飾り結びにして、帯留めは、アゲハ蝶のモチーフです。
足元は、紫色の足袋をはき、黒の草履で引き締めてみました🎶
ヘッドアクセは、ERIKADEARさんのPATAPATA髪飾り。クリップで留めるだけなので簡単です🎶
大好きなモノに囲まれるとテンション上がります💕
参考にしていただいて、もっと着物に遊び心をプラスしてみてください💕
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ知識をご紹介いたします。
最後まで読んでいただいてありがとうございました❤
【母から譲り受けた単着もので秋コーデ】
こんにちは
着付講師の竹内千尋です
今回は、パワーのある「赤」を差し色に使った「秋コーデ」を紹介いたします🍁
色の好みは人それぞれですが、私は着ものを着るとき「赤」を差し色で使うことが多いです🥰
この「赤」について、先日、少し調べてみました。
日本における「赤」は古代から「火」や「血」さらに「生命」の象徴であり
魔を祓う神聖な色とされ、神事や化粧に用いられてきました🔥
世界的に見ても、「赤」は「魔除け」の意味で使うことが多いそうです。
なかでも、紅の赤は、
七五三・婚礼・還暦など女性の人生の節目に彩りを添えてきました😊
神社のシンボルである鳥居に赤が多いのも「災難を祓う力がある」とされたことが影響しているそうです⛩️
赤いダルマにも「魔除け」はもちろんのこと
「その場にエネルギーをもたらす」などの効果もあるそうです。
その赤を着ものの装いでもワンポイントに身につけて、ここぞという時にパワーにあやかりたいですね。
単ヒトエ
9月も終わりに近づいておりますが、9月の着ものは6月と同じで
「単ヒトエ」
です。
単ヒトエの着ものは裏地がついてないもののことを指します。
夏の薄物と
冬の袷
季節と季節の間の過ごしやすい時期には「単ヒトエ」を着て次の季節を待ちましょう🎵
私が初めて着ものを習うとき、母が「これ丈が合えば使っていいよ」と譲ってくれた単ヒトエの着ものがあります。
今もこの季節になるとタンスから出してきてお稽古の時に着ます。
母と私は身長がほぼ同じなので着ものも共有出来るものが多かったはずなのですが、当時の母も現役バリバリで着ものを着ていましたので、お気に入りの着ものは貸してもらえず💦
譲ってくれたことが奇跡でした。
母が譲ってくれた着ものは「更紗」という南蛮渡来の染め物で
日本で馴染みのある色を使っているにも関わらず、色彩の濃厚さと色使いの斬新さがまるで違って異国情緒を感じるものです。
母の着ものは少し赤が強いので、譲ってくれる時も確か「私も若いときに着てたけど、今は赤くて着れない」と言っていたような記憶があります。
赤の強い更紗の単着ものに
黒地に月とススキの柄の帯です。
赤(ピンクに近いですが)と黒の千鳥柄の帯締めを差し色にしてみました。
視線を「赤」に集めていますから他のコンプレックスが気にならなくなりますね(笑)
帯の柄は秋から冬へ移り変わるこの一瞬しか結べないすすきの柄ですが
中秋の名月にお団子🍡を頂きながら
季節の柄で遊ぶのも着ものコーデの楽しみのひとつです🎑
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ知識をご紹介いたします。
【浴衣のアレンジ】
本日は浴衣をワンランクアップする方法をお伝えします✨
処暑を過ぎて秋の気配を感じるはずが…
まだまた暑さが続きますが、夏を楽しむ!と気持ちを切り替えて、今しか楽しめない浴衣をアレンジしてみませんか?
浴衣は夏に着る普段着です。
(江戸時代に身分の高い人が入浴時に麻地の湯帷子ユカラビラを着ていたことが始まりとされています)
浴衣を「着もの風」に着てみるのも雰囲気がガラッと変わります💕
①襟を入れる
浴衣の下に麻の長襦袢を着るのもいいですが
涼しくしたいので半襦袢や襟だけでもいいと思います。
秋っぽいカラーの刺繍襟を付けると雰囲気も変わり、季節も先取りできてとても素敵です💕💕
②足袋を履く
下駄ズレ防止にもなります。
浴衣あるあるで、素足だと鼻緒のところで足が痛くなります。
私もあちこち歩き回って、帰る頃には足が絆創膏だらけだったこともあります💦
今はレースの足袋もありますので涼しさとお洒落さを兼ね備えていておすすめです💕
③お扇子を使う
私の個人的な好みですが、帯の胸元に扇子を差すとグッと着もの感が出ます。
本来、
付け下げや訪問着などといった格が上の着ものの時に「末広」というあおがない小さな扇子を帯の胸元に差しますが、
夏はあおげるもののほうが実用的です。
このように浴衣の楽しみ方を知れば、お出かけの幅も広がります。
懐紙
そして、扇子など和の小物の中でも今回は「懐紙」の使い方を紹介します。
【懐紙】とは文字通り、懐に忍ばせておく紙のことです。
でも【懐紙】ってお菓子を乗せるだけじゃないんです!
一枚の紙が「書く」「拭く」「包む」の全ての用途に使えて、
男女問わず、日常でも大変役に立ち、所作も美しく見えること間違いなしです✨
使い道はたくさんあります。
①お菓子や食べ物の敷紙
②コースター
③一筆箋
④口元を拭く
⑤骨や種などを口から出すときに隠したり包んだりする
⑥ぽち袋
⑦何かを持ち帰るときに包む
私は①か⑦で使うことが多いです(笑)
その他色んな事に使えますが、
withコロナのご時世ですので
お出かけ先で
【外したマスクを挟んで置いておく】
のに使うのも今だからこそ!!だと思います。
【懐紙】に挟んでおけば「気をつけているんだな」という意識の表れにもなりますし、
いろんな所に接しなくて安心です💕
紙ですので必要であればご一緒の方にも分けてあげても良いのではないでしょうか?
差し上げても使用後は気兼ねなく捨てて頂けます。
男女問わずちょっとした心遣いが出来るのも素敵ではないでしょうか✨
次回も楽しい着ものコーデと身近で役に立つ知識をご紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。